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Barrel House Man
主な録音
- Elzadie Robinson, Barrel House Man, (Paramount 1926年),
Document DOCD-5248. - Will Ezell, Barrel House Man, (Paramount 1927年),
Document BDCD-6033.
- Will Ezell, Barrel House Woman, (Paramount 1929年),
Document BDCD-6033.
- Roosevelt Sykes, Barrel House Man, (Decca 1936年),
Document DOCD-5119.
- Hociel Thomas, Barrel House Man, (Circle 1946年),
American Music AMCD-72.
そんなに多くのアーティストがやっているという訳ではないのだけれど，ちょっと気になる．気だるい，いかにもロウダウンなメロディーが印象に残るスロー・ブルースで，ルシル・ボーガンの有名なSloppy Drunk Bluesとも似ている．
この曲を最初に録音したのはルイジアナ州シュリーヴポート出身の女性歌手，エルザディー・ロビンソンだった．ついで，彼女とコンビを組むことが多かったピアニストで，やはりシュリーヴポート辺りで活動していたらしいウィル・イーゼルがインストゥルメンタルとして1927年に録音している．そのすぐ後，1928年に関係があるかもしれない曲をシンガー・ギタリストのランブリン・トーマスが録音している．Sawmill Moanというのがそれで，Barrel House Manと似たようなメロディーで，トーマスの他の曲とは感じが違う．ランブリン・トーマスの出身地はルイジアナ州ローガンスポートで，シュリーヴポートでも活動していたという．すると，シュリーヴポート周辺では局地的に誰でも知っているメロディーであったのかもしれない．
戦後になって，テキサスのホシエル・トーマスが自身のピアノの伴奏で録音したバージョンも良い出来だ．戦後ブルースのディスコグラフィーを見ると，やはりテキサスのピアニスト，バスター・ピケンズが録音したが未発表になっている曲で，Barrelhouse Manというのがあって，これも同じ曲じゃないかと思っている．シュリーヴポートはテキサス州との州境に近い方だから，テキサス辺りまでポピュラーな曲だったのではなかろうか．それで，ルーズベルト・サイクスはなんでまた，と思うのだが，エルザディー・ロビンソンらのレコードでも聞いて覚えたんだろうか．サイクスは歌詞を作り替えて，オリジナリティを見せている．