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Forty-Four Blues


主な録音

  1. Roosevelt Sykes, "44" Blues, (OKey, 1929年), CD:Document DOCD-5116.
  2. Lee Green, Number Forty-Four Blues, (Vocalion, 1929年), CD:Document DOCD-5187.
  3. James Wiggins, Forty-Four Blues, (Paramount, 1929年), CD:Document DOCD-5103.
  4. Roosevelt Sykes, Kelly's 44 Blues, (Victor, 1930年), CD:Document DOCD-5117.
  5. Little Brother Montgomery, Vicksburg Blues, (Paramount, 1930年), CD:Document DOCD-5109.
  6. Lee Green, Train Number Forty-Four, (Vocalion, 1930年), CD:Document DOCD-5188.
  7. Lee Green, 44 Blues, (Decca, 1934年), CD:Document DOCD-5188.
  8. Little Brother Montgomery, Vicksburg Blues No.2,(Bluebird, 1935年), CD:Document DOCD-5109.
  9. Little Brother Montgomery, Vicksburg Blues Part 3, (Bluebird, 1936年), CD:Document DOCD-5109.
  10. Monkey Joe, New York Central, (Vocalion, 1938年), CD:Document DOCD-5412.
  11. Big Maceo, Maceo's 32-20, (Bluebird, 1945年), CD:RCA 07863 66716-2.
  12. Mose Vinson, 44 Blues, (Sun, 1953年), CD:Bear Family BCD 15524.
  13. Memphis Slim, Forty-Four Blues, (Candid, 1961年), CD:Roots(F) RTS33013.
  14. Otis Spann, Vicksburg Blues, (Testament, 1965年), CD:P-Vine PCD-5581.
  15. Tuts Washington, Forty-Four Blues, (Rounder 1983年), CD:Rounder CD11501.

ハウリン・ウルフの歌で忘れられないが，ブルース・ピアニストの間で人気のあった曲だ．

この曲の歴史についてはポール・オリヴァーの本に詳しい．同書の研究をおさらいすると，この曲はもともとミシシッピ州のピアニスト達の間で歌詞の無いダンス曲として演奏されていたらしい．1922年に同州ヴィックスバーグへやって来たリトル・ブラザー・モンゴメリーは地元人アーネスト・"44"・ジョンソンにこの曲を教わったという．モンゴメリーはこれをリー・グリーンに教え，リー・グリーンはさらにルーズベルト・サイクスにこの曲を教えた．元祖アーネスト・"44"・ジョンソンから数えて3人目になるサイクスは，この曲に独自の歌詞をつけて1929年に録音した．これが「フォーティー・フォー・ブルース」の録音の始まり．そのすぐ後にグリーンが録音し，さらにその後になってモンゴメリーがまた別の歌詞をつけて「ヴィックスバーグ・ブルース」として録音した．オリヴァーの本にはこれらの各バージョンの歌詞の分析，さらにこの後の関連曲にも詳細な検討が加えられている．

モンゴメリーにこの曲を教えたアーネスト・"44"・ジョンソンは自分の名義では録音を残さなかったので，この「元祖」のフォーティー・フォーを聞く事はできない．それでも，この人は1936年にトミー・グリフィンの伴奏者として録音を残していて，Document DOCD-5426 ("Country Blues Collector's Items")で聞くことができる．そのうちの一曲"On My Way Blues"の最終コーラスではモンゴメリーのヴィックスバーグ・ブルースに良く似たピアノを弾いていていて，その芸名"44"の何たるかを示している．

この曲を録音したモンキー・ジョー，オーティス・スパン，モーズ・ヴィンソンはミシシッピ州出身のピアニストだが，ピアノ弾き以外でも，ジョニー・テンプル，アーサー・クルーダップ，ハウリン・ウルフ等やはりミシシッピ出身者がこの曲をレパートリーにしている．「フォーティー・フォー」はピアノ・ブルースのスタンダード曲であると共にミシシッピ・ブルースのスタンダード曲でもある．