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Sweet Patunia Blues

主な録音

Lucille Bogan, Sweet Patunia, (Paramount, 1927年), Yazoo 1017.
Walter James & Baley Wells, Sweet Petunia, (QRS, 1929年)
Monkey Joe, Sweet Patunia Stomp, (Bluebird, 1935年), Document DOCD-5412.
Little David, Original Sweet Patunia (Patootie Blues), (Decca, 1936年) Document DOCD-5391
Little David, New Sweet Patuni (Patootie Blues), (Decca, 1936年), Document DOCD-5391
Jesse James, Sweet Patuni, (Decca, 1936年) Document DOCD-5192.
Albert Ammons, Sweet Patootie Blues, (Library of Congress, 1938年), Document BDCD-6046.
Mary Lou Williams, Sweet (Patootie) Patunia, (Decca, 1936年), Classics 630.
Albert Ammons, Sweet Patootie, (1938年), Delmark DD-705.
Jimmy Yancey, Sweet Patootie, (Session, 1943年), Document DOCD-5042.
Albert Ammons, Sweet Patootie Boogie, (Mercury 1946年), Classics 1100.
Doug Suggs, Sweet Patootie, (Tone, 1956年), The Sirens SR-5005.
Jimmy Walker & Erwin Helfer, Sweet Patootie, (Testament, 1962年), Testament TCD 5011.
Henry Brown, St. Louis Sweet Patootie, (Storyville, 1965年), LP 670183.
Little Dickie Rogers, Sweet Patunia, (Trix, 1972年), Trix 3311.

この曲については，昔ポール・オリヴァー先生が著したScreening the Bluesという本の，The Blue Bluesというヒワイなブルースを研究している章で詳しく考証されている．同書が述べているように，この歌はギタリストのシルベスター・ウィーバーなどもやっていて，なにもピアノ弾きだけが演奏する曲ではない．広く分布した歌で，Sweet Patuniaという言葉はPatuniaの花の形から女性器の比喩として普通使われていたという．PatuniaとはPetuniaの別名だろう．ペチュニアならば春から夏にかけてそこらの花屋やホームセンターで色とりどりのものが安く売られているから園芸に関心のある人なら知っているだろう．まあ，別にペチュニアが「似ている」とは思わないのだが．

この中ではモンキー・ジョーの物が素晴らしい．余り話題になる人ではないが，一世一代の名演とはこのことではないか．

ダグ・サッグズの録音も興味深い．Silvesterのブギウギ研究書には，この曲の作者はセントルイス在住のClaud Brownという人物で，サッグズはセントルイスに居たときBrownからこの曲を教わったのだという説が紹介されている．これはサッグズが言っていたもので，最近(2003年)になってThe Sirensレーベルでこの証言を含むインタヴューがCD化された．このClaud Brown作という説の真偽はどうにも分からない．それにしても，セントルイスをほとんど離れたことのないヘンリー・ブラウンが1965年になってわざわざ曲名に「セントルイス」と付けて録音しているのはどうした訳だろう．特定の地域に結び付いた曲だとは思えないが，戦前はピアノ・ブルースが盛んだったセントルイスでも好まれていたレパートリーということか．