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Doug Suggs
ダグ・サッグズという人は1920年代から1930年代にかけて，重要な役割を果たしていたかもしれないシカゴのブギウギ・ピアニストである．1894年セント・ルイス生まれ．シカゴへ出て，レント（家賃稼ぎ）・パーティー出演者として名を挙げるようになったという．録音は1956年になって少なくとも4曲を録音している．この4曲のうち，Doug's JumpとSweet Patootieはかなり以前から発表されていた．この2曲に関しては，リズムの弾み方がとても良く，好感を持てる演奏だ．このときもう高齢になっていて，ピアノに触れていない時期もあり，ベストの状態ではなかったというが，これで芸盛りの頃はどれほど良かっただろうと思う．つい最近(2003年)になってもう2曲Smoke Like LighteningとSlow and LowがCD化されたが，これらはやや復帰途上というのか，手探りの演奏のようだ．Smoke Like Lighteningの方はちょっとモンタナ・テイラーを思わせる曲，Slow and LowはSweet Patootieのベース・フィギュアを取り換えたような曲だ．この2曲はブランクの影響があるようだが，それでもサッグズの個性は感じられる．
Silvesterの本には，サッグズがMr. Freddie BluesとSweet Patootieをセント・ルイスから持って来てシカゴのピアニストに広めたようなことが書かれている．最近CD化されたインタヴューでもスウィート・パトゥーティーをセントルイスで学んだと語っている．また，アルバート・アモンズはスウィート・パトゥーティーを確かにサッグズに学んだもののようだ．このことから，スウィート・パトゥーティーがブギウギ・ピアニストのレパートリーとなる過程で，サッグズは無視できない役割を果たしたように思われる．
シカゴ・ホワイトソックス球場でポーターとして働いていたことから，同球場のグラウンド・キーパーであったジミー・ヤンシーとの関連を言われることもある．
CD
The Sirens SR-5005, V.A., Primitive Piano.
ダグ・サッグズが録音した4曲とサッグズのインタヴューが収録されたCD．このうち2曲とインタヴューは本CDで初めて発表された貴重なもの．収録曲はいずれも1950年代にアーウィン・ヘルファーが録音したもので，サッグズの他にビリー・ピアース，スペックルド・レッド，ジェイムズ・"ザ・バット"・ロビンソンの貴重な演奏が入っている．
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